佐賀県の公文書開示制度を使っても佐賀県立高等学校の無線LAN環境で実際どんなAPが設置されたのかわからない

3夜連続になってしまった。

佐賀県立高等学校の無線LAN環境について、第1夜*1では無線LANコントローラが採用されなかった理由を、第2夜*2では置局設計の妥当性をそれぞれ考えた。
しかし、経緯はもちろん重要ではあるが、結果としてどのような無線LAN環境が実際構築されたのかを調べようとすると大きな壁にぶちあたった。

今回の一連の佐賀県への公文書開示請求において、下記の文書の取得を試みた。

  • 平成24年3月ごろに公告・入札が行われた「佐賀県立学校校内LAN 機器等整備(更新)工事」 において佐賀県が落札業者より取得した見積書
  • 上記見積書に基づき佐賀県が落札業者への発注に際して作成した「物品購入等発注書」またはそれに類する文書

佐賀県教育委員会からの回答は、私が担当の方の説明を誤解している可能性はあるが要約すると「いずれも存在しない」であった。
(お忙しい中担当者の方は丁寧に説明してくださったが、なにぶんお役所の業務フローを把握していないのでむずかしかった)
いろいろと担当の方におたずねして、これならばと開示されたのは下記の文書であった。

「工事費内訳書」 平成25年5月17日
工事名 佐賀県立学校校内LAN 機器等整備(更新)工事
共同企業体の名称 九電工・岡田電機建設共同企業体

科目 単位 金額 適用
A 直接工事費 一般工事
1 電気設備工事
1. 機器単体費 一式 719,086,630円
2. 調整労務 一式 175,650,000円
3. 機器取付費 一式 9,872,500円
4. 配線工事費 一式 168,468,533円
5. 処分費 一式 600,000円
6. 運搬費 一式 1,050,000円
小計 1,074,727,663円 a
B 共通費
B1 共通仮設費 一般工事
1 電気設備工事(千円止め) 一式 15,014,000円
15,014,000円 b
B2 現場管理費 一般工事
1 電気設備工事(千円止め) 一式 35,851,000円
35,851,000円 c
工事原価 1,125,592,663円 a+b+c

各校にどんな機器が設置されたのかが知りたいのですが、と聞いてみたが、明細は存在しないという。特記仕様書に定められた機器が設置されていればよい、ということであった。
自治体と仕事をしたことはないけれど、そんなアレなの?
購入した機器は県の資産になるので資産管理台帳などに記載しないのか、と尋ねると、それは設置後に別途やっているらしい。
しかし例えば多くの国立大学の規定では、資産管理台帳に記載するのは厳しい大学でも取得価格10万円以上のものであり*3、全てが記載されていない可能性もある。
(もちろん、県の担当者レベルではどこに何が設置されているのかは把握されていることと思うが)

というわけで、今週行われた佐賀県立高校のフリー参観デーの記事を参照してみると、アクセスポイントの写真があった。
【佐賀県ICT教育】「プリント配布の手間なし」、タブレット型パソコンを使った模擬授業を公開 | 日経 xTECH(クロステック)
型番までは判読できないが、やはり仕様書に参考機種としてあげられたD-LinkのDAP-2690のように見える。
資産管理シールらしきラベルも貼り付けられているので、おそらく資産管理台帳などの適切な文書を指定すれば、実際に設置された機器一覧を開示してもらうこともできるのかもしれない。

一連の開示請求では、かなり担当者の方に時間を割いて頂いたので(一連の文書に対し開示請求をしたのは私だけではなかったようではあるが)感謝の気持ちを込めて佐賀県ふるさと納税をしようと思う。使い道として「学校のIT化・教育支援」を選ぶこともできるし、お返しの品として「佐賀北高書道部の書」(19年連続日本一の栄冠に輝いた精鋭が、あなたのお好みの一言を色紙に書いてくれる)が選べる。素敵だ。お好みの一言を5文字以内で、とあるが、何と書いてもらおうかなあ。
ふるさと佐賀県応援サイト / 佐賀県